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日本の神話

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物語「日本武尊」(上) 三、 行 縢 山

■立ち読みコーナー

物語 日本武尊〈上〉
目 次



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簡単に書籍をご購入できます。

・主な関係人物のあらまし
・関係系図


 一、 高  屋  宮 ・・・
 二、 紀  水  門 ・・・
 三、 行  縢  山 ・・・
 四、 木  曽  路 ・・・
 五、 浮  羽  邑 ・・・
 六、 弟  橘  姫 ・・・
 七、 草  薙  剣 ・・・


・付録 年表

4頁
6頁
9頁

17頁
57頁
91頁
127頁
167頁
207頁
243頁

279頁
立ち読みコーナーでは、書籍(田中繁男著)の内容(一〜七)の一部を無料公開しています。書籍の購入の参考にしていただければ幸いです。
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もし、宜しければご連絡ください。(田中繁男著シリーズならすべて対応しています。)
連絡先:info@nippon-shinwa.com 田中千瑞禾宛


 三、 行  縢  山    
※ 実際の書籍には、ルビがついています。
三、 行 縢 山


 大足彦天皇は旅塵を払う間もなく、稚足彦皇子の生誕に肩入れすることとなったが、そ

の宵に設えられた無事帰京を祝う宴席で、出発前に生まれた二人の皇子を見ることとなっ

た。


「弟の小碓が腕白なのに対し、兄の大碓の方はおとなし過ぎる。・・・・どうしたものである

か」


 と天皇は播磨稲日大郎姫皇后に尋ねた。


「それは双子とは申せ、もって生まれた性分でございましょう」


 大らかなところのある皇后は、屈託なく応えた。

 それもそうである、と納得した天皇は、話柄を変えては尋ねた。


「八坂入媛の産後の手伝いにでもということで、美濃より武者も交えた多くのものがきて

いるという。何かあったのであるか」


 天皇は女人ならまだしも、武者まで、それも百を数える人数がきているというところに、

尋常でないものを感じていたのである。


「すめろき(天皇)には、昨年の筑紫下向時に吉備国へと立ち寄られましては、そこの吉

備武彦まで連れて行かれましたことに、その原因がありますかと存じます」


「吉備武彦が、どうかしたのであるか」


 と天皇は不思議そうであった。


「はい。それでは一方的に吉備国の手柄になり、今後とも美濃は吉備の風下に立つことと

なっていく・・・・というような、これは側聞でございます」


「吉備は西の大国。一方の美濃は東の大国である。要らぬ立場の張り合いは互いに避ける

べきであろう。が・・・・それは、あるいは、八坂入媛の計らいであるのかも知れぬ。なにし

ろ媛は私とは祖父(崇神天皇)を同じうする従兄妹同士の間柄でもあり、それに気性の激

しいところがあるのである・・・・」


 天皇は八坂入媛が天皇の留守中のこととはいえ、勝手に兵を招いていることに不快感を

強くしていた。ほかの手前も大いにあったからである。


「と仰せでございますが、すめろきには好きになられました上で、妃となされたのではご

ざいませぬのか」


「それは、そうである。が・・・・必ずしも、そうであったともいえぬのである」


「・・・・」


 稲日大郎姫皇后は、おかしさを噛み殺しながら天皇の次の言葉を待った。


「あれは紀国へは行かぬと決まった年の次の年のことであったから、もう九年も前のこと

となる・・・・」


 その年つまり景行天皇の四年(西暦二五四年)の春二月十一日、美濃へ行幸した大足彦

天皇は、叔父の八坂入彦皇子のもとへ逗留したのであった(今の岐阜県可児町あたり)。

が、叔父の娘の一人に弟媛という絶世の美女のいることを聞き知り、それで弟媛を一目な

りとも見てみたいと、誰しも思う無理からぬことを考えたのである。しかし、弟媛は天皇

に見られるのを避けては、竹林へ隠れてしまったのであった。


「そこで私は一計を案じては、叔父の屋敷の一部に泳宮という、名も爽やかな宮を営なみ

池を作っては、そこへ鯉を放ったのである」「鯉を・・・・。まだ見そなわしもなされませぬ

媛を恋しく思う心に、魚の鯉をかけたというのでございますか」


「直接の関係はないが、ともかく鯉を泳がせたのである」


「それで、泳宮と名づけられたのでございますね」


 と大郎姫皇后は、適当に合いの手を入れながら聞いていた。


「鯉の泳ぐのを見るのは、いたく楽しいものである。見飽きることはない」


「・・・・」


「それで隣の竹林へ隠れていた弟媛にしても、一体あそこで何をしているのであろう、と

見に出てきたのでもあろう」


「天岩戸にお隠れになった、天照大神のようですね」


「それは噂にたがわぬ美しい娘であった。それで私は招き寄せたのであったが、意外なこ

とに弟媛は、私は男女ノ道は好みません、というのである」


「男女ノ道は好みませんと・・・・」


 皇后も不思議そうな表情で繰り返した。


「しかし、弟媛は言葉とは裏腹に、じっと私を見つめてくる双眸には妖しい光が宿り、そ

の姿態はいかにも臈たげで、今にも私に取りすがらんばかりであった」









・・・つづく



物語 日本武尊〈上〉
目 次



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・主な関係人物のあらまし
・関係系図


 一、 高  屋  宮 ・・・
 二、 紀  水  門 ・・・
 三、 行  縢  山 ・・・
 四、 木  曽  路 ・・・
 五、 浮  羽  邑 ・・・
 六、 弟  橘  姫 ・・・
 七、 草  薙  剣 ・・・


・付録 年表

4頁
6頁
9頁

17頁
57頁
91頁
127頁
167頁
207頁
243頁

279頁
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