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「日本の神話 〜日向三代〜」

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一の四、海幸山幸(第5回目 2005年1月16日)



一の五、海幸山幸
(第6回目 2005年1月20日)
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■    日 本 の 神 話
□  
■  〜 日 向 三 代 (ひむかさんだい)〜

■  6回目 著者:田中繁男 http://nippon-shinwa.com
□  発行周期:週刊
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 一の五、 海 幸 山 幸 (うみさちやまさち)


 「片ときといえども尊より離れたことのなかった妹の木花開耶姫(このは
 
なのさくやひめ)でございましたが、よもや、ここまで追うてはきますま

い」

「・・・・」

「春の宵は千金に値(あたい)しますと・・・・尊には何卒わが庵へこられませ」

「それにしても、どうして私がくるのが分かったのでありますか」

「あれ以来・・・・つまり私の父が尊に私を妻(めあ)わしまして以来、私は尊が

独りになるのをお待ち申し上げてきました・・・・いよいよ、そのときがきたの

でございます」


 磐長媛(いわながひめ)は父神が妻わしたといったが、瓊瓊杵尊(ににぎの
 
みこと)にしてみれば、単に引き合せられたに過ぎず、それはそれで済んだ

ものと考えていたことであったが、磐長媛の方では妻わされた、つまり成婚

したものと信じて疑ってはいないようであった。


 それで誘われるままに媛の庵へ尊は入ってみて、少なからず驚嘆した。

「これはまた大きな鏡・・・・一体、何に使うのでありますか」

「何に使うのかというて・・・・この銀(しろがね)拵(こしら)えの鏡、つまり銀

鏡(しろみ)の前に、朝な夕な座りましては、少しでも見目よき顔にと、尊に

嫌われますことのないようにと・・・・努めているのでございます」


 なるほどと瓊瓊杵尊は、銀鏡の設えられている意味は諒解したが、それが
 
自分のためであるとは充分に理解しないままであった。

「さあ一献・・・・」

 磐長媛の注いで勧めてくれる酒は思いのほか強く、すぐに酔いが尊の全身
 
を包みこんできた。

「これは・・・・強い・・・・酒でありますね」

「妹の出す酒と・・・・違いますか」

「違います・・・・おいしくて強い・・・・眠くなってきました」

「それなら私の膝を枕となされ・・・・存分に眠られませ」

 さすがの瓊瓊杵尊も強い酒のせいで寝入ってしまったが、共寝するという
 
に至らないでいた。


 翌日も、その次の日も、瓊瓊杵尊は日中は付近の山野を跋渉し国情を視察
 
していたが、夜になると日中の疲れが押し寄せてくるものか、磐長媛の心づ

くしの夕餐を平らげるや否や、たちまち寝入ってしまう日が幾日か続いた。


 そんな日々の続いたある朝、今日一日を限りに明日は再び東へ向け発つと
 
いう朝であったが、いつまで経っても磐長媛は姿を見せなかった。


 それで、やむをえず媛の侍女を相手に尊は独り朝餉を済ませたのであった
 
が、そのとき一人の武者が、急ぎ駆け込んできては申し上げた。

「磐長媛さまには、明け方にか、入水なされましたっ」

「入水なされたと・・・・」


 驚いた瓊瓊杵尊は反射的に飛び出して行っては、遺体の安置されている小
 
川のほとりへ到り、まさしく磐長媛の変り果てた哀れな姿をそこに見た。

「私の至らなさを目覚めさせるため、あえて姉君には・・・・非常の措置を取ら

れたのでありましたか」


 亡骸に額づき、声涙共にくだる瓊瓊杵尊であった。


 やがて皆を指揮しては適地を選び、磐長媛の墓地を設え、丁重に葬って
  
は、数日の喪に服した。その墓地は今に伝えて、供花の絶えることはないと

いう。ついに瓊瓊杵尊に迎え入れられなかった磐長媛であったが、尊もまた

媛だけを避けたのでなかったことは、木花開耶姫以外に異性の影のないこと

により知られよう。



■ 次回予告!!
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 一の六、 海 幸 山 幸 (うみさちやまさち)


 磐長媛(いわながひめ)の意外な出現と死とを経験した瓊瓊杵尊(ににぎの
 
みこと)であったが、さらに東へ、南寄りに進んでは、一ツ瀬川の中流域、

今の西都市あたりへと到った。

・・・つづく


■ 編集後記
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 ・info@nippon-shinwa.com にメールにて応募する。
 
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 ご質問・ご感想はこちらまで、<info@nippon-shinwa.com>
 
 それでは、次回も楽しみにしてください。
 
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 このメールマガジンは、著者は田中繁男(父)、発行者は田中千瑞禾
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 なぜ、子が父の作品をメルマガにしているのかといいますと、長年にわた
り日本の歴史・神話について研究してきた父の知識、書物、考え方、経験を
公表したかったからです。
 
  父は、この「日本の神話」以外にも現在、執筆の活動をしていますので、
続々と複数のメルマガを発行していく予定ですので、今後とも宜しくお願い
します。

 また、<http://nippon-shinwa.com>にて、著者の出版した書籍も紹介して
いますので、お立ち寄りください。
 
 著者への質問や感想がございましたら、<info@nippon-shinwa.com>までお
気軽にご連絡ください。お待ちしております。

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最後まで、長い文章をお読み頂きまして有難うございました <(__)>


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一の六、海幸山幸へ (第7回目 2005年1月25日)
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