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「日本の神話 〜日向三代〜」

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一の三、海幸山幸 (第4回目 2005年1月10日)



一の四、海幸山幸
(第5回目 2005年1月16日)
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■    日 本 の 神 話
□  
■  〜 日 向 三 代 (ひむかさんだい)〜

■  5回目 著者:田中繁男 http://www.nippon-shinwa.com
□  発行周期:週刊
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 一の四、 海 幸 山 幸 (うみさちやまさち)


 翌朝。はればれとした表情で木花開耶姫(このはなのさくやひめ)は夫君と
 
なった瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)に申し上げた。

「尊の御子を身ごもりました・・・・」

「私の子を身ごもった・・・・と。いくら何でも、私が天津神(あまつかみ)の子

であるといえども、一夜で身ごもらせることはできない」

 思いがけない姫の言葉に、瓊瓊杵尊は思うとおりを述べた。

「私を疑うというのですか。それなら、これより・・・・誓って申し上げます」

「・・・・」

 瓊瓊杵尊は、木花開耶姫の激しい憤りに声も出なかったが、そんな尊の眼

を見据えて木花開耶姫は、きっぱりと申し上げた。

「産み月となりますれば、私は出入り口を閉ざした産屋(うぶや)にこもり、

さらに産屋に火を放ちましてその燃え盛る火の中で御子を産みます。火

傷もなく生まれて、母子ともに無事であれば、確かに尊の御子であり、燃え

て死んでしまえば、尊の御子ではありません・・・」

 産み月がきて、木花開耶姫は申し上げたとおりに産屋の出入り口を閉ざし、

火を放ってその火の中で出産した。

 火の燃え初め、火の燃え盛り、火の燃え収め毎に産み、しかも母子共に火

傷もなく、無事であった。これを確認した瓊瓊杵尊は、自らの軽口を辱じ入

り、以降は一層、木花開耶姫を大切にしていった。


 御子たちも大きくなってきたとき、瓊瓊杵尊は述べた。

「これより北へと向かい、さらに住みよい土地を訪ねたい」

 家郷の吾田の地を離れるのは、木花開耶姫には寂しく、つらいことであっ

た。

 が、さらに国を求めたい思いの夫君の意向に抗う理由もなく、見慣れた故

郷の山の金峰山や野や海に、しばしの別れを告げて北へ向かって旅立っ

ていった。

 着いたところは今にいう川内(せんだい)川の流れる川内盆地であり、そこ

は肥沃な地であった。適地に高城宮を営んでは定居し、何不自由のない

暮らしの日々が、平穏のうちに過ぎていった。

 そんなある日、瓊瓊杵尊には新しい国を求める意欲が湧いてきて、木花

開耶姫に語っては述べた。

「この川を東へ遡って行けば、山のあなたの空遠く、その空の下、さらに麗

しい国があるという・・・・」

「このたびは私は、留守番をしています」

 と木花開耶姫がいうので、瓊瓊杵尊は独りで僅かな供を連れて、東へ向

かった。

 山また山を越え、川があれば川を渡り、東へ東へと道なき道を踏み分

け進むうち、ある日のこと、行き暮れて、ふと立ち止まったところがあった。

今の宮崎県は西都(さいと)市の銀鏡(しろみ)という地のあたりであった。

 銀鏡は神楽で知られた土地柄で、平成十六年四月に天皇皇后両陛下をお迎

えして、西都市で第五十五回全国植樹祭が開催されたとき、銀鏡神楽も参加

した。


「お久しぶりでございます」

 春日遅々としてとはいえ、誰そ彼(たそかれ)どきの見分けのつき難い中で、

急に声をかけられて振り向いた瓊瓊杵尊は、一瞬、眼と耳とを疑った。

「磐長媛(いわながひめ)でございます・・・・」

 声の主は、紛れもなく、木花開耶姫の姉の磐長媛であった。


■ 次回予告!!
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 一の五、 海 幸 山 幸 (うみさちやまさち)
 

 「片ときといえども尊より離れたことはございませんでした妹の木花開耶
 
姫(このはなのさくやひめ)でございましたが、よもや、ここまで追うてはき

ますまい」

「・・・・」

「春の宵は千金に値(あたい)しますと・・・・尊には何卒わが庵へこられませ」

・・・つづく


■ 編集後記
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最後まで、長い文章をお読み頂きまして有難うございました <(__)>


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一の五、海幸山幸へ (第6回目 2005年1月20日)
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