日本の神話を物語として、著者 田中繁男が書き下ろす!日本の神話や万葉集を参考にメルマガも発行します!
古代日本を舞台に、万葉集、日本書紀、古事記を参考に、日本の神話、古代天皇物語を多彩な世界を表現します!

日本の神話

総数今日昨日
  http://www.nippon-shinwa.com (日本の神話)   
トップ 著者プロフィール 管理人プロフィール 万葉集について メルマガ バックナンバー 参考文献 リンク集
古代史天皇著作について 古代天皇シリーズ一覧表 日本書紀年表の構成との対比表 古代史換算表
日本武尊(上下) 仲哀天皇 神功皇后(上下) 応神天皇 仁徳天皇(上下) 履中天皇
日本の神話
大好評!一週間で合計150名の方に読者登録を頂きました!多謝!

バックナンバー

「万 葉 散 歩」

目次へ
V001 額田王 はじめに (平成17年1月25日)


額田王 1の1 冬こもり
■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━VOL.002━
□■
■    万 葉 散 歩
                                  
    〜 額 田 王 〜                    
                       発行周期:週刊 著者 田中繁男 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■



一の一、 冬 こ も り


 大和の飛鳥(あすか)より近江(おうみ)の大津へ都を遷(うつ)した年の翌年
 
は天智天皇の七年(西暦六六八年)戊辰(ぼしん。つちのえたつ)であった。

戊辰は昔より《革運》の年として知られ、注目されてきた年の一つであった。

注目される年は、ほかに甲寅(こういん。きのえとら)や辛酉(しんゆう。かの

ととり)、甲子(かっし。きのえね)などがある。


 革運とは国の運命が変る、改まるという意味で、このことを当然ながら意
 
識しては、戊辰を明治元年(西暦一八六八年)としたのであった。


 その天智天皇七年(西暦六六八年)戊辰の初春正月三日。やはり、そうし
 
た年回りのことをも考慮に入れてであったか、それまで皇太子の立場で六年

やってきた中大兄皇子(なかのおおえのみこ)は即位して、天智天皇(天命開

別天皇あめのみことひらくわけすめらみこと)となった。


 その七日に、天智天皇は皆を招いては宴を催した。即位を祝う宴であった
 
が、大海人皇子(おおあまのみこ)の姿はなかった。五年前の白村江(はくす

きのえ)ノ戦い以降、大海人皇子は現地指揮官のような立場で筑紫(つくし)

に留まっていて、このたびもまた、筑紫で新年を迎えていた。


 宴の進むにつれて上機嫌となった天智天皇は、腹心の中臣鎌足(なかとみ
 
のかまたり)を相手に、軽い議論を戦わせ始めた。春山の万花の咲き匂う艶

やかさと、秋山の千葉の黄葉(もみぢ)して錦織(にしきお)りなす彩(いろど)

りと、いずれが優れているか・・・・というような他愛ない議論であった。


 天皇は春山の肩を持っていたので、鎌足は自然と秋山の側に立つ恰好(か
 
っこう)となっていた。が、もとより、どこまで行っても結論の出るはずも

ない話であり、それで天皇は、かたわらの額田王を顧みては問うた。


「ときに額田、そなたは春山の万花の咲き匂うのと、秋山の千葉の黄葉(も

み)たうのと、いずれを好むものであるか。歌に作り答えてみよ」


 しばらく考えていた額田王は、やがて歌を作っては答えた。何といっても
 
額田王は、当代第一流の女流歌人であり、その作る歌は流麗、華麗、光彩陸

離たるものがあった。


 もともと額田王は大海人皇子(おおあまのみこ)の室であり、それが十年前
 
の冬に、当時の中大兄皇子(よかのおおえのみこ。天智天皇)の室となったの

であった。そこには複雑な事情もあったが、今は措く。ただ、それ以降、額

田王の歌には、大海人皇子の影のさすことが多くなっていった。


 春の花と秋の黄葉と・・・・いずれを好むかと問われても、戸惑うばかりの額
 
田王であったが、そこはさすがに額田王、堂々たる主張を盛り込んだ華麗な

一首を作っては詠じた。


冬こもり 春さりくれば 鳴かざりし 鳥も来(き)鳴きぬ 咲かざりし 
 
花も咲けれど 山を茂(も)み 入りても取らず 草深み 取りても見ず 

秋山の 木(こ)の葉を見ては 黄葉(もみぢ)をば 取りてそ偲(しの)ふ 

青きをば 置きてぞ嘆く そこし恨(うら)めし 秋山われは 16


 冬こもりは春の枕詞で、古くは、応神天皇朝に百済(くだら)より来朝した
 
王仁(わに)博士の詠歌にも窺える。《冬こもり春さりくれば難波津(なには

づ)に今を春べと咲くや此花(このはな)》というもので、仁徳天皇即位のと

きに捧げた歌かと思われる。


 山を茂みの《み》と、草深みの《み》とは、《・・・・であるので》の意で、
 
それで《潟を無み》とあれば、《潟が無いので》となる。


 秋山われはというのは、私(額田王)は秋山を好みます・・・・と明確に述べ
 
たもので、春山の葉の青いのが嘆かわしい、その青臭い未熟さが恨めし

い・・・・が、その一方で、成熟した秋山が慕われてならない・・・・という。


 秋山の黄葉を手にしては偲ぶ・・・・何を偲ぶのかといえば、この席にはいな
 
い大海人皇子であり、従って、いまだに青いと嘆いては、手に取りながらも、

すぐに置く春山の青い葉とは、天智天皇のこととなろう。


 若々しさに溢れた春山の肩をもつ天智天皇であったが、春山の葉の青さ、
 
その青い葉とは誰のことか、と思い至ったとき、天皇は愕然とした。


 鎌足との先ほどまでの議論で、万花の咲き匂う春山を、天皇には支持して
 
いることが分かっているはずであるのに、あえて額田王は秋山の肩を持った。

しかも、巧妙にも山のこと、花のことではなく、論点をすり替える形で、葉

を持ち出してきては、春山より秋山の方が好ましい・・・・としたのであった。


 が、暮春より初夏へとかけてならともかく、春といえば葉ではなく花であ
 
り、従って、比べるのなら、春の花と秋の葉とであるべきである。ところが、

額田王は秋の葉、つまり大海人皇子に重きを置くあまり、話をすりかえてし

まっていることにも気づいていないようであった。


 そういえば・・・・と天智天皇は思いあたるフシがあった。額田王は飛鳥をさ
 
って、近江へ遷ってきて以来、妙によそよそしくなった、心なしか距離を置

くようになっている・・・・と天皇は改めて気づいた。


・・・つづく



■ メルマガのご紹介
□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

このコーナーでは、たまにですが、日本文学・歴史に関係するメルマガを
ご紹介させていただきたいと思います。

さて、今回は「日本の神話」メルマガのご紹介をさせていただきます。

実は、このメルマガは、筆者 田中繁男 が配信しているメルマガでもあ
ります。「日本の神話」は、

    『忘れかけていた日本人のこころを呼び覚ます物語』

として、第8号まで発行しています。

バックナンバーを読み返せば、まだまだ内容にはついていけますよ!

古代日本の神話について、関心のある方は、是非、ご登録ください!

 
     ▼ 「日本の神話」のご登録はこちらまで ▼
       
       http://www.mag2.com/m/0000145851.htm
    
    
      ▼ バックナンバーは、こちらまで  ▼
       
        http://nippon-shinwa.com/back.html



■ ごあいさつ 〜はじめて登録してくださった方へ〜
□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 このメールマガジンは、著者は田中繁男(父)、発行者は田中千瑞禾
(子)で構成・発行しています。
 
 なぜ、子が父の作品をメルマガにしているのかといいますと、長年にわた
り日本の歴史・神話について研究してきた父の知識、書物、考え方、経験を
公表したかったからです。
 
  父は、この「万葉散歩」以外にも現在、執筆の活動をしていますので、
続々と複数のメルマガを発行中ですので、少しでも興味を持っていただけま
したら、そちらのメルマガも読者登録のほど、宜しくお願いします。

 また、<http://nippon-shinwa.com>にて、著者の出版した書籍も紹介して
いますので、お立ち寄りください。
 
 著者への質問や感想がございましたら、<info@nippon-shinwa.com>までお
気軽にご連絡ください。お待ちしております。

 このメルマガのバックナンバーは「日本の神話」のホームページのバック
ナンバーですべて公開します。もし、途中から読者登録をしていただいた方
は、そちらの方で、ご確認ください。
 
バックナンバーは、こちらまで
→ http://nippon-shinwa.com/back.html


最後まで、長い文章をお読み頂きまして有難うございました <(_ _)>



■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□■
■    万 葉 散 歩
                                 
    〜 額 田 王 〜                                                   
 VOL.002  発行周期:週刊
 著者 田中繁男  発行者 田中千瑞禾    
 運営サイトは  → http://nippon-shinwa.com/manyo.html
 お問い合わせは → info@nippon-shinwa.com
 登録・解除は  → http://www.mag2.com/m/0000147008.htm    
 ◇このマガジンは、「まぐまぐ」で配信しております。      
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■


V003 額田王 1の2 冬のこもり
目次へ


「万 葉 散 歩」

日本の神話 TOPへ
   
サーチ:
Amazon.co.jpアソシエイト
忘れかけていた日本人のこころを呼び覚ます物語を日本の神話として、書き下ろします!
日本書紀・古事記・万葉集を参考しています。

メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。
(マガジンID:0000145851)
メールマガジン登録
メールアドレス:

Powered by まぐまぐ

第二弾!
メルマガ発行決定!
「斬る!時事問題の
トリビア・コラム!」
政治・経済・外交を中心に、ちょっと角度を変えた歴史的視点から、日本の世を斬る!
「へぇ〜」と感じる人も、「残念!?」と感じる人もいるかも(-_-;)。
週刊時事ネタ。
(マガジンID:0000146260)
メールマガジン登録

メールアドレス:

Powered by まぐまぐ

大好評!
メルマガ第三弾!
「万葉集」より、
額田王
柿本人麻呂
大伴家持
メルマガ発行決定!
万葉集で有名な額田王、柿本人麻呂、大伴家持の歌集の謎に迫る!

万葉集
関連の書籍ではかなり出版されているが、
著者の見解により、新しい角度で万葉集を解き、”万葉三代紀”を描いています!

第一弾は、額田王

その後、柿本人麻呂、大伴家持と続きます!
乞うご期待!
(マガジンID:0000147008)

メールマガジン登録
メールアドレス:

Powered by まぐまぐ
▼古代天皇物語書籍
日本武尊(上下)

仲哀天皇

神功皇后(上下)

応神天皇

仁徳天皇(上下)

履中天皇

トップ 著者プロフィール 管理人プロフィール 万葉集について メルマガ バックナンバー 参考文献 リンク集
古代史天皇著作について 古代天皇シリーズ一覧表 日本書紀年表の構成との対比表 古代史換算表
日本武尊(上下) 仲哀天皇 神功皇后(上下) 応神天皇 仁徳天皇(上下) 履中天皇
Copyright (c) 2004 千のWEB工房 All rights reserved.