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「万 葉 散 歩」

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V018 額田王 4の5 やすみしし (平成17年05月15日)


額田王 5の1 紀伊国の
■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━VOL.019━
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■    万 葉 散 歩
                                  
    〜 額 田 王 〜                    
                発行周期:週刊 著者 田中繁男  
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  五の一 紀 伊 国 の


 斉明(さいめい)天皇の四年(西暦六五八年)秋八月か九月のある日のこと、

斉明天皇は額田王(ぬかたのおおきみ)を招いては述べた。


「来月、私は紀伊国(きのくに)の牟婁温湯(むろのゆ。今の白浜温泉)へ赴く

が、そのとき、そなたも連れていきたいのです」


 斉明天皇が牟婁温湯へ行くという話は、額田王にして初耳ではなかったが、

自分たちも従うていくとは聞いてはいなかった。


「・・・」


 額田王が適当な応答の言葉を見つけ出せずに黙ったままなので、斉明天皇

は、さらに話を続けた。


「それに、そなたに・・・中大兄(なかのおおえ)の室に入ってもらいたいの

です」


「中大兄皇子の室・・・に」


 額田王が驚きのあまり、大きく眼を見開いたまま、しばらく立ち往生した

のも無理のないことであった。


「私は・・・すでに大海人皇子(おおあまのみこ)のもとに、長くいてござい

ます。それに皇子との間には、十市(とおち)という娘も、すでにいてござい

ます」


 と額田王は、ともかくも口を開いて応え申し上げたのであったが、斉明天

皇は微笑みながら、そのまま話を進めた。


「それは分かっています。分かっているからこそ・・・無理を承知で頼んで

いるのです」


「・・・」


「実は、これには深いわけがある。・・・そなたも聞いて知ってはいようが、

海の彼方の百済(くだら)の国は、今や存亡の危機に瀕(ひん)している。いず

れ百済は、わが国へ救いを求めてくるであろう。そのとき、救うのか否か、

私もいますが、決断するのは、結局、皇太子たる中大兄となる・・・」


「・・・」


「が、そこに私は、一抹の不安を感じるのです。中大兄ただ独りで大丈夫

か・・・と。それで中大兄のかたわらに・・・そなたが添うていてくれれば、

と私は考えているのです」


 中大兄皇子は十三年前の六月、あたかも二十歳の夏、専横を極めていた蘇

我入鹿(そがのいるか)を、一刀のもとに斬り捨てるなど、見たところ、豪胆

また冷徹な偉丈夫に見えていたが、実際には、千々に乱れる繊細な心を持

った気弱な面も多々ある性格であった。それで、そんな弱点を、生母の斉明

天皇には今に至るまで、陰となり日向(ひなた)となっては、カバーしてきた。


「私も、いつまでも元気ではない。そんな私に代り、そなたが・・・添うて

いてやってもらいたいのです」


「それは・・・中大兄皇子のお望みでもあるのでございますか」


「勿論。私が考えをただしたところ、しばらくして中大兄は、はっきりと応

えました・・・額田王は、その姉の鏡王女(かがみのおおきみ)とは、また違

った思慮深さを持っているように思う、願ってもないことです・・・と」


 鏡王女というのは額田王の姉で、当時、中大兄皇子の室であった。


 三年ほど前、斉明天皇の計らいでもあったか、勝ち気で明るい性格の鏡王

女は、皇太子たる中大兄皇子に妻(め)わされ、残された恰好で額田王は大海

人皇子の室となった。額田王また大海人皇子も、共に寡黙な性格であり、目

立ちたがりやの鏡王女や中大兄皇子とは、対照的であった。


 そんな静かな額田王であったが、やがて姿勢を正しては、明確な口調で斉

明天皇に尋ね申し上げた。


「わが背ノ君の大海人皇子には・・・何と思われますでしょうか」


「大海人は・・・それは恨めしい、つらいことと思うでありましょう。しか

し、弟ではあるが、国を担うていく皇太子の立場を思えば、忍び難きを忍び、

何とか堪えてくれるであろう」


 と斉明天皇は、昔の自分の身に起きたことを、ほろ苦く思い返しながら述

べた。


 その昔、斉明天皇(当時は宝皇女たからのひめみこ)の身に何が起きたの

かを考えるにあたり、その御子の皇太子である中大兄皇子にして、実は、や

はり同御子の大海人皇子の弟であったとする考え方を検証するのも、また無

意味ではないであろう。兄が実は弟であったということの例証を両皇子の名

に求めることも、また一興であろう。


 はじめ葛城皇子(かづらきのみこ)と称せられていた中大兄皇子が、中大兄

皇子と名を改めるにあたり、少なくとも長子を意味することはないはずの《

中》の字を、あえて冠しているのは何ゆえかとなってくる。そこに、大海人

皇子の名が関連してくるのも無視できない。


 大海人皇子の海人は、漢(あや)が訛(なま)って海人(あま)と称していたと

ころ、その海人の上に《大》の字を冠しては、大海人としたものであり、《

大》は長子たることを意味しているのであろう。


 それは、葛城皇子が中大兄皇子を名乗ったのと同時期のことであったかと

思われるが、長幼の序を明確に示さねばならない何らかの事情が生じたもの

のようである。


 そんな長幼の序を、中大兄皇子にして容認しなければならなかったのは、

ひとえに二人の生母たる斉明天皇(当時は皇極天皇)の説得によるものであ

った。


 生母は同じであっても、二人の皇子の実父は、それぞれ異なっていた。中

大兄皇子の父は舒明(じょめい)天皇(当時は田村皇子)であったが、兄の大

海人皇子の父は、別の人であった。


 別の人といえる痕跡があり、それは『日本書紀』にも見受けられる。それ

より推していけば、大海人皇子の実父は廐戸皇子(うまやどのみこ。聖徳太

子)であったこととなる。


 それは、当時をさること三十六年前の、推古(すいこ)天皇三十年(西暦六

二二年)まで遡る。その春正月のある日のことであった。



・・・つづく


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