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「万 葉 散 歩」

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V016 額田王 4の3 やすみしし (平成17年04月30日)


額田王 4の4 やすみしし
■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━VOL.017━
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■    万 葉 散 歩
                                  
    〜 額 田 王 〜                    
                発行周期:週刊 著者 田中繁男  
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 四の四、 や す み し し


 吉野にこもる大海人皇子のもとへ悲報がもたらされたのは、数日後のこと

であった。


「すめろきには三日・・・神さられた」


 と大海人皇子は、気落ちした表情で讃良皇女に語った。

 が、父君を亡くしたにもかかわらず、ときに二十七歳の讃良皇女は気丈で

あった。


「覚悟はできています」


「できている・・・と。かねて覚悟はできていた・・・というべきではない

のか」


 大海人皇子は訝(いぶか)しげであった。


「これからの覚悟でございます。今は亡きすめろきは、私の父君でございま

すが、私は大殯(おおもがり)にも大葬にも参じません。私は常に、大海人

皇子と共にある覚悟でございます」


 それを聞いた大海人皇子に、いうべき言葉は何もなかった。


 その覚悟があったればこそ、近江に残ろうと思えば残ることはでき、それ

で別に不思議でもなかった讃良皇女にして、一寸(いっすん)さきは闇の、こ

の吉野行きに従えたのでもあろう。


 十二月十一日。今は亡き天智天皇の大殯が行われた。このとき額田王は、

亡き天智天皇を偲ぶ歌を作った。


 かからむの 懐(おも)ひ知りせば 大御船(おほみふね) 

 泊(は)てし泊りに 標(しめ)結(ゆ)はましを 151


 かからむの懐ひとは、なすべき多くのことを残したまま世を去っていかね

ばならない無念ということで、そんな天皇の無念さを前以て知っていれば、

死出の旅へと天皇には乗る大御船が出航していかないように、停泊している

港に標縄(しめなわ)を渡し、出航を阻止したものを・・・という。


 湖国に都しては船遊びに興じるのが好きであった天智天皇の彼岸へ渡って

いくのを船での出航に譬えた歌である。船の停泊地は大津宮の北西にある志

賀ノ唐崎であった。


 のちに大殯より遷して山背(山城)の山科御陵へ葬り申し上げた際、奉仕

していた皆が、やがて退いていくときの様子をも、額田王は歌に作った。


 やすみしし わご大君の 畏(かしこ)きや 御陵(みはか)仕(つか)ふる 
 
 山科の 鏡(かがみ)の山に 夜はも 夜のことごと 昼はも 
 
 日のことごと 哭(ね)のみを 泣きつつありてや 百敷(ももしき)の 

 大宮人(おほみやびと)は 去(い)き別れなむ 155


 やすみししは大君の枕詞で、わが大君の恐れ多い御陵を、山科の鏡山の山

すそに、皆で心を一にして、時間をかけて造りあげてきた御陵・・・その御

陵に仕え申し上げてきては、夜は夜通し、昼は終日、涙も涸れ果てんばかり

に泣きに泣いたものであったが、今や大葬も終えて、それぞれに別れ散って

いく大宮人らである(百敷のは大宮人の枕詞)・・・という。


 その大宮人たちの思い思いの思いの中には、大葬も済んだ今、天皇を亡く

した悲しみは悲しみとして、それとは別に、すでに皆は先のことを考えてい

るのでもあろう・・・亀の甲羅に描かれていた《申》が示す問題の年壬申は、

来年とはいえ、すぐそこのこと・・・と額田王は、大葬を終えては、そそく

さと帰っていく大宮人らの姿に、来年の予兆を的確に見る思いであった。


 この頃、三首の童謡(わざうた)が流行った。童謡とは、ときとして不気味

なほど、内実を秘めているものである。


 み吉野の 吉野の鮎(あゆ) 鮎こそは 島辺(しまべ)も良(え)き 

 え苦しゑ 水葱(みなき)のもと 芹(せり)のもと 吾(あれ)は苦しゑ


 ここの島辺も良きの《良》を《え》と訓むのは古格とされているが、それ

は今に伝えて、関西では《良い子だね》というときに《ええ子やね》といっ

ている。言葉に言霊(ことだま)が宿るにしても、古格に宿るのは自然なこと

であろう。


 み吉野のは吉野の枕詞でもあり、美称でもある。その吉野の吉野川に棲む

鮎こそは、川の島辺や中洲に自由に棲んでは、快適でよろしかろうが、吉野

川ならぬ近江の大津の淡海を棲み処(か)としている今の私は、水葱や芹の根

や茎に絡みつかれて、身動きもできない、あゝ、苦しい・・・という。


 み吉野の吉野の鮎とは、今や自由の身である大海人皇子にほかならず、一

方、色々な柵(しがらみ)に絡(から)みつかれて、身動きもできずに苦しいと

喘(あえ)ぎ呻(うめ)いているのは、ほかならぬ額田王と十市皇女母娘のこと

であろう。


 臣(おみ)の子の 八重の紐(ひも)解(と)く 一重(ひとえ)だに 

 いまだ解かねば 御子(みこ)の紐解く


 臣ノ子が、八重に結わえられた紐、つまり極めて複雑な難題を、いまだに

一つとして解けないでいるが、それなら、御子が解くこととなろう・・・と

いう。御子を大海人皇子のこととすれば、臣ノ子とは、大友皇子を支えてい

る蘇我赤兄ら腹心のこととなろう。いずれ大海人皇子が解決するというので

ある。


 赤駒の い行き憚(はばか)る 真葛原(まくづはら) 何の伝言(ことづて)

 直(ただ)にし良けむ


 葛の生い茂った原に足を踏み入れては、駿馬(しゅんめ)の赤駒といえども

進みようがないように、簡単には進まない、つまり伝わっていかない人を介

しての伝言などに頼らずに、知らぬ間柄でもないので、直接いうてくればよ

ろしかったのに・・・という。


 額田王が大海人皇子に窮状を報せては、善処を頼むにあたり、赤駒つまり

蘇我赤兄や安麿あたりを介して頼んだために、一向に進まない、密使でも仕

立て、直接いうてくればよかったのに・・・というのであろう。


・・・つづく


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